Who is KAZU?

自分の写真
ボイススタイリスト 。通称・うごき先生&ムッシュ倉持。アレクサンダーテクニーク教師。俳優として美輪明宏演出舞台に18年レギュラー出演。日本アレクサンダーテクニーク協会会員。ボディシンキング&シンキングボディ認定講師。中高国語教師資格所持。早稲田大学文学部日本文学科卒業。妻、長男と埼玉県越谷市在住。身長180cm、体重83kg。趣味は日本舞踊、太極拳、ジャグリング

2013年2月13日水曜日

演じるかたへ!春のスペシャルワークショップのご案内

春が待ち遠しい今日この頃、みなさまいかがお過ごしですか。

このたび、春のスペシャルワークショップと題しまして
演技を楽しまれる方々へ向けた三日間だけの演技ワークショップを開催いたします。

いつもユニークな企画と俳優向けの演技レッスンを展開しているシンビアンの主催。
本企画は入会金なども不要の受けきりオープンクラスとなっています。
どなたでもお気軽にご参加ください。

講師はもちろんわたくし、倉持一裕です。どうぞよろしくお願いします。(^.^)

++  ++  ++  ++  ++

春の特別クラスA(3月4日月曜日)
どんな小道具も一瞬にして自分のモノにしちゃう技を磨くクラス
          &
春の特別クラスB(3月6日水曜日)
知るだけで演技が変わる?!俳優の<楽器>のしくみを学ぶクラス
   &
春の特別クラスC(3月8日金曜日)
俳優の<聞く>スキルをupするためにレペティションを使うクラス

<春の特別クラスウィークの詳細>

○定員→各回14名(状況によりクラスBのみ増やす可能性があります)
○受講料→各回4000円(ABC全クラス参加者は11,000円…3/4のみの受付)
○日程→特別クラスA(小道具のコツ)3月4日月曜日
    特別クラスB(楽器のしくみ)3月6日水曜日
    特別クラスC(聞くを磨く)   3月8日金曜日
○時間→18:30~21:30(ABC共通)※受付は18時から開始します。
○場所→南阿佐ヶ谷シアターシャイン地下スタジオ
○お申し込み&お問合せ
 春の特別クラス専用アドレス  kazu_kuraアットマークi.softbank.jp(アットマークを@に換えてください。)又はkazu.kuramochi@facebook.comまで
◯参加資格→俳優さん、演じる方ならどなたでも(シンビアン企画のワークショップですが、本企画においては入会金等は必要ありません。どなたでも参加できる受け切りワークショップです)



<春の特別クラスAのご案内>(3月4日月曜日)
役を演じるとき、しばしば小道具は大変重要なツールとなります。セットに置かれる家具等から、手持ちの道具までその種類は多岐に渡ります。稽古中からずっとそれらを使うことができれば、その間に道具を自分に馴染ませることも可能でしょうが、時には劇場入りしてから小道具に始めてご対面したり、映像の現場では演技の直前に渡されるということも珍しくありません。このクラスでは人間の脳に備わるある能力に着目して、小道具を使う時にどんなことに注意を向ければ、これらをスムーズに使いこなすようになれるか…使いこなせてるように見えるか…を考えてみるクラスです。参加される人は、ぜひ何かしらの小道具をお持ちください。ボールペンひとつでも構いませんし、よかったらモデルガンや木刀や化粧道具など、これまでにそしてこれから使う予定の小道具を実際にお持ち頂くと楽しく学べると思います。そして最後には、この小道具を使う時のアイデアを、相手役と向きあう時にも応用できないかをも考えてみます。すなわち相手役も自分の小道具にしてしまう作戦です。さてさて、どういうことになりますか。ぜひ実際に、あなたも持つ「この能力」をこのクラスであらためて意識的に体験しながら、ご自分の演技への使い道を考えてみてください。

<春の特別クラスBのご案内>(3月6日水曜日)
役の行動をし、ことば(セリフ)を話し、表情や声や振る舞いでさまざまな感情を表現することで役の人生を演じる…。そういう意味では、わたしたち俳優にとって心とからだは<楽器>と言えます。みなさんはご自分の<楽器>のことをどれだけご存知でしょうか?演技レッスンや積み上げた経験などで「演技法」はそれなりに知っているかたでも、その<楽器>の仕組みはどれだけご存知でしょうか?ボディマッピングという分野があります。文字通り「からだの地図づくり」をする学習です。からだの各部分の大きさ、構造、機能を正確に認識することは自分を使うことの大きな助けとなるのです。すぐれたパフォーマーやアスリートは、このマッピングのズレが少ないと言われています。演技をする皆さんも、お医者さんになるほどに解剖学を学ぶ必要はないでしょうが、演技の妨げにならない程度の最低限の<楽器>のしくみは覚えておく必要はあるでしょう。今回は、倉持の俳優としての個人的な経験と演技講師としての観点から、これだけは誤解なく押さえておいてほしいという...俳優の<楽器>のしくみ...をお伝えします。数ある重要なポイントから、内容を厳選し今回のテーマは二つ。立ち姿や存在感や演技の統一感に影響する<軸骨格>についてと、俳優の重要なツールである声に関連して<呼吸と発声のシステム>について…を学びます。座学だけでなく、実際に自分のからだで学びを確かめられるよう簡単なワークとともに展開します。これらを知ってるのと知らないのとであなたの演技がどう変わるでしょうか?ぜひ、あなた自身で試してみてください。

<春の特別クラスCのご案内>(3月8日金曜日)
レペティションと言われる俳優の訓練に大変有効な基本エクササイズがあります。そのシンプルさから活用範囲も広く、講師によって多少その解釈と指導方法が異なることもあります。ただ「このエクササイズの目的の一つに、俳優の<聞く>スキルを磨くことがある」という点において異論を唱える方はいらっしゃらないでしょう。「聞く」は紛れもなくアクションの一つです。そして、俳優にとって最も重要なアクションと言えます。レペティションでは、息をつく暇もないほどのスピード感のなか「聞く」「繰り返す」そして「観察する」を重ねながら、俳優の本能的反応を引き出していきます。しかし、最も大切な「聞く」アクションが的確に行われていなければ、エクササイズ自体が無意味なものに、下手すると害にもなりかねません。また、俳優さんのなかには、相手の長台詞は「聞ける」けど、日常会話のような短い台詞のやり取りになると「聞けなくなる」と言った悩みを持つ方もいらっしゃるようです。本講座ではレペティションという簡単な言葉の繰り返しをするエクササイズを使って、「聞く」ということは自分が自分をどう使うことなのかを、皆さん自身が見つけることを目指してクラスを展開します。もちろんレペティション未経験の方も参加可能です。みなさまふるってご参加ください。

以上三つのクラスはバラバラなテーマのようで実は関連性があります。通し受講により、より理解が深まる可能性は高まります。

お知り合いにもご紹介頂けたら幸いです。
演技が好き、演技をしたい、そんな方々のご参加をおまちしています!

倉持一裕

「鍛える」ことについて


わたしは「鍛える」ということばがどうも好きになれません。

演技に関してだけ言っても「学ぶ」のは大好きですが
「鍛える」と言われると身を引きたくなります。
そもそもの意味から
火にあぶられたり、固いもので叩かれたり、冷水を浴びせられたり
そんなことを「される」ことを想像してしまいます。
当然自分で自分にそれを「する」のも勘弁です。

 

ですから
わたしが自分の演技向上を目指して何かする場合も「鍛える」ということはしません。
そして、同じように
演技教師として俳優さんの指導に当たる場合も「鍛える」ということはしません。

でも実は、俳優さんがたは「鍛えたがっている」人が大変多いです。
 
みな自分が<弱い>とか<未熟>とか<足りてない>という不安のなかにいます。
自分が<弱く><未熟で><足りてない>ことをとても強く信じています。
だから多くの人が自分を鍛えたがっているし
鍛える場所を探し、鍛えてくれる人を求めています。

誰かに言われたのか、自分で思い込んでいるのかわかりませんが
そういう人がいた場合、わたしの仕事はその洗脳を解くことに
まず最初のエネルギーを注ぐことが多いです。

それは正直言って、なかなか難しいことなのですが
実は、
その俳優さんの<足りてない>という物語につきあいながらレッスンをするよりは
はるかに現実的で効率的だとわたしは思っています。
要は本人が望むパフォーマンスに近づきやすいということです。

なぜなら、
彼らが信じているそのことは事実ではないと解釈せざるを得ない場合がほとんどだからです。
それが証拠に、
彼らが自分も見る人も満足するパフォーマンスをしたときは
その<足りてない>という不安の枠から飛び出て演じた場合がほとんどで
決して「鍛えあげた」「鍛わった」から出来たわけではないのです。

そしてもっと興味深いことに
自分は「鍛わった」と思えたうえでするパフォーマンスは
本人も見る人もなぜが不満を感じるのです。

これがなぜなのか、その理由はわたしにはまだハッキリとはわかりません。
でも、どうしてもその結果から鑑みて
その人が<弱い>とか<足りてない>とかいうことは事実ではない
と、そう解釈するより他にわたしにはアイデアが浮かびません。
それが事実だったら
「弱い」自分を「鍛え」あげたうえで成したパフォーマンスは
「満足できる」ものになるはずですから。

まあ、これはわたしの経験と観察が「不足している」から
こういう考え方しかできないのかもしれません。
「弱い」自分を「鍛え」て「満足」した人や
そういう人を見たことがある人もたくさんいるのかもしれません。
だから「鍛えたい」人が多くいるのかもしれません。

わたしもこの現実の中で
「鍛えたってしょうがないよ」みたいな発言をもしもし続けていたら
世間の人々からそっぽを向かれてしまうことでしょう。
現実としてあるニーズですから。。。
ですから、もちろんそれについては考えています。

決して説を唱えて賛成してもらうことがわたしの望みではありません。
俳優さんの、もっと向上したい、という望みを叶える手助けを
ただ、わたしはしたいだけなのですから。

探究はまだまだ続きます。